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Date: Mon, 9 Mar 2015 13:03:23 +0900
From: 日本語用論学会広報 <webmaster@pragmatics.gr.jp>
Subject: [PSJ-News:00155] 「日本女子大学学術交流研究シンポジウム」開催のお知らせ
Sender: t.kanamaru@gmail.com
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
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日本語用論学会の皆様

日本女子大学の?梨 博子先生よりご紹介がありましたので,
会員の皆様にご案内をお知らせいたします.

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【日本女子大学学術交流研究シンポジウムのご案内】
「やりとりの言語学―場から生まれることば―」

このたび、「やりとりの言語学―場から生まれることば―」と題する学術交流
研究シンポジウムを日本女子大学で開催致します。本シンポジウムでは、話し
ことばがやりとりされる場に着目し、ことばが動的に生産され機能する様子を
探究します。さらに、場から創生されることばの本来の姿を見つめ直し、社会
や文化とどのようにつながっているのかを考えます。
年度末のお忙しい時期ですが、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

日時:2015年3月26日(木)13:30?17:30
会場:日本女子大学 目白キャンパス 百年館低層棟104教室
(アクセス情報は http://www.jwu.ac.jp/unv/access.html をご覧ください。)
参加費:無料
参加申込み:不要(当日そのままお越しください)

【発表者】
1.中山俊秀(東京外国語大学)
「言語構造の柔らかさはどこから来るか―「語」というドメインを中心に―」
(概要)「語」は、文法体系を構成する基本要素の一つで、通言語的に共通し
て、明確に、ぶれることなく定義づけられるものと考えられがちである。しか
しながら、実際の言語現象を見てみると、こうした前提に反する事象は意外に
多い。例えば、活発な複合語形成などをみると、何が「語」をなすかは予め決
まっているわけではなく、表現の「語」らしさは使われた文脈によって変わる。
この「語」の流動性、文脈依存性は、カナダ先住民の言語ヌートカ語のように
極端に複雑な語形成をもつ言語では特に顕著に見られる。本発表では、こうし
た「語」の不確定性を言語使用の実態に結びつけ、言語使用の中で文法体系を
捉えることの意味を考える。

2.大野剛(アルバータ大学/国立国語研究所)・鈴木亮子(慶應義塾大学)
「日本語反応表現の創発性と固定性:―会話から始める「言語知識」の探求―」
(概要)日本語の自然会話データに見られる言語形式を基盤として「言語知識」
を探究する長期的プロジェクトの一環である。動詞由来の反応表現(相槌表現)
に焦点を当て、創発・固定・体系という側面からアプローチする。

3.?梨博子(日本女子大学)
「遊びから創発することば―共感と共創―」
(概要)会話における遊びのやりとりの中で、新しいことばが共創されるプロ
セスについて、言語的・心理的側面から分析する。言語的には、会話の流れの
中で、参与者たちが文脈の中で使用されたことばの音韻的・構造的・意味的資
源を再利用しながら、語用論的解釈も踏まえて、笑いの対象に新しい名前をつ
けるプロセスがみられる。心理的には、笑いの対象に対する共感が、ことばの
やりとりによって深まっていき、それが新しい名前が共創される時に頂点に達
し、感情が昇華して調和される様子が観察される。また、これらのことばが定
着する可能性や、ことばが生まれる基盤について考える。

4.藤井洋子(日本女子大学)
「日本語の「語順」再考―場から生まれることばの順序―」
(概要)これまで日本語の「語順」は言語類型論の中でSOVであると認識されて
きた。しかし、実際の言語使用では、Vとされる述語のみの文や「考えています
か、これからのこと。」「ありますよねえ、そういうこと。」のように述語を
先に発話することが頻繁に行われる。そこでは、主語を必須とする英語とは異
なる主語、目的語、述語の有り様が見えてくる。本発表では、日本語の言語実
践の中でこのような「語順」が創出される場を分析し、さらには定着していく
過程を観察することを通し、日本語の「語順」について再考を試みる。

5.ディスカッション
ディスカッサント:井出祥子(日本女子大学)

問い合わせ先:日本女子大学 ?梨博子 takanashi@fc.jwu.ac.jp

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PSJ-News
日本語用論学会
	

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