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Date: Wed, 3 Feb 2016 15:41:06 +0900
From: 日本語用論学会広報 <webmaster@pragmatics.gr.jp>
Subject: [PSJ-News:00193] 「<メディアとことば研究会>第46回研究会」開催のお知らせ
Sender: t.kanamaru@gmail.com
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
Message-Id: <CANFDrerSHGjU0_jhmCXgSKCQ6T2J-YT0kdhB5Z-c8pn30Wi8zw@mail.gmail.com>
X-Mail-Count: 00193

日本語用論学会の皆様

大阪大学の秦 かおり先生よりご紹介がありましたので,
会員の皆様にご案内をお知らせいたします.

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皆さま,

メディアとことば研究会では、この度、坪井睦子氏(立教大学)と多々良直弘氏
(桜美林大学)を発表者にお迎えして、下記の要領で研究会を開催致します。皆
さま奮ってご参加下さい。
準備の都合上、ご参加希望の方はmedialalala@gmail.comに3月11日(金)までに
ご連絡下さい。

その際、
1.お名前
2.ご所属
3.懇親会参加の可否
をお知らせ下さいますよう、宜しくお願い致します。
(当日の飛び入り参加も歓迎します。)

メディアとことば世話人一同

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メディアとことば研究会第46回研究会

日時:3月18日(金)
場所:日本大学文理学部 3号館3階 3309 教室
http://www.chs.nihon-u.ac.jp/about_chs/campus_map/

発表者:坪井睦子氏(立教大学)
    「語用・メタ語用としてのニュース翻訳
     --メディア・ディスコースにおける引用とイデオロギー」
    多々良直弘氏(桜美林大学)
    「実況中継が創るフットボール・ストーリー」

<プログラム>
13:30-13:35 会の紹介
13:35-13:50 出席者自己紹介・発表者ご紹介
13:50-14:50 坪井睦子氏 ご発表
14:50-15:00 質疑応答
15:00-15:10 休憩
15:10-16:10 多々良直弘氏 ご発表
16:10-17:10 全体ディスカッション
17:10-17:25 お知らせ
(今後の日程、研究会発表者、企画募集など)

18:00?発表者を囲んでの懇親会(発表会場周辺)

--発表概要--
「語用・メタ語用としてのニュース翻訳--メディア・ディスコースにおける引用
 とイデオロギー」
坪井睦子(立教大学)

概要:情報が言語の壁を超えグローバルに流通するとき、そこには必ず翻訳とい
う言語行為が介在する。しかし、国際報道における翻訳については、一般の読者・
視聴者の意識に上ることはまれであり、メディア機関においても編集や取材の一
環として捉えられる傾向にある。本発表では、通常外からは不可視の翻訳がメディ
ア・ディスコースの中で明らかな形をとって表出する「引用」に焦点をあて、イ
デオロギーという視点からニュース・ストーリーの構築に関わる翻訳の言語行為
性について探求する。具体的には、冷戦終結後多発する対立・紛争、なかでも中
東情勢に関わるニュースを主に取り上げて考察する。ニュースにおける引用と翻
訳は、ともにニュースが対象とする出来事についてそのときそこで言われたこと
を、ニュースになる時点での「いま・ここ」のコンテクストにおいて再現すると
いう語用についての語用(メタ語用)であり、引用の翻訳は両者が絡み合う複層
的言語実践であることを明らかにする。

「実況中継が創るフットボール・ストーリー」
多々良直弘(桜美林大学)

概要:現在サッカーは各国の国内リーグ、クラブや各国代表が参加する国際大会
が世界各地で報道されており、同じ試合が通訳や翻訳を介さずにさまざまな言語
で放送されている。実況中継の参与者たちは、ボールと選手が絶えず移動する流
動的な試合を即興的に描写、解説することが求められるわけだが、文化によって
試合の中で起こる同じ出来事が異なる形で解釈されたり、異なる側面が言及され
たりすることがある。本研究発表は、日本語と英語による実況中継の比較分析を
通じて、各言語の好まれる表現方法や言語化される対象の差異、そして各言語の
背後にある文化的価値観を明らかにすることを目的とする。特に選手が明らかな
ミスをしたり、ゴールを決めたりなど、試合の流れに大きな影響を与えた場面を
取り上げ、実況中継の参与者たちがどのような認知資源(選手の動きやプレーな
ど)に注目し、言語化するのか、また同じ資源が何を伝えるために言及されるの
か考察してみたい。


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PSJ-News
日本語用論学会