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Date: Sun, 10 Jul 2016 21:03:13 +0900
From: 日本語用論学会広報 <webmaster@pragmatics.gr.jp>
Subject: [PSJ-News:00225] 「2016年第1回エスノメソドロジー・会話分析「入門」セミナー」開催のお知らせ
Sender: t.kanamaru@gmail.com
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
Message-Id: <CANFDrep-df+YHzvo3DbShwaS2v6j+GHiP5VT2oh5HQ+ZXD0V1g@mail.gmail.com>
X-Mail-Count: 00225

日本語用論学会の皆様

九州大学の横森 大輔先生よりご紹介がありましたので,
会員の皆様にご案内をお知らせいたします.

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皆様
(重複して受け取られた場合はご容赦ください)

今年度初回のエスノメソドロジー・会話分析「入門」セミナーを下記の通り8月
27日-28日に実施しますので、エスノメソドロジー・会話分析の学習に興味をも
たれている方は是非ご参加ください。
なお今回の開催地は福岡になります。九州、中国四国地方在住の方々の積極的
なご参加をお待ちしております。

参加希望者は以下リンク先のフォームより申込をお願いします。
各コマにつき別個の受付になりますので、受講されるコマを選んで申し込まれ
てください。
先着順ですので、お早めの申込を推奨します。


--- 2016年度第1回エスノメソドロジー・会話分析「入門」セミナー---

■ 日時
□ 2016年8月27日(土)
  9:30-11:30  「ビデオデータの撮り方」講師:秋谷直矩
http://kokucheese.com/event/index/407326/

 13:00-15:00  「エスノメソドロジーの視点」、講師:小宮友根
http://kokucheese.com/event/index/410476/

  15:10-17:10 「エスノメソドロジーの分析」、講師:森一平
http://kokucheese.com/event/index/410471/

□ 2016年8月28日(日)
 9:30-11:30  「トランスクリプトの作り方」講師:横森大輔
http://kokucheese.com/event/index/410480/

  13:00-15:00 「行為連鎖の組織」講師:黒嶋智美
http://kokucheese.com/event/index/410482/

  15:10-17:10 「順番交代の組織」講師:平本毅
http://kokucheese.com/event/index/410484/

■ 場所
□ 九州大学西新プラザ
(〒814-0002 福岡県福岡市 早良区西新2丁目16−23)
 中会議室(27日)
 大会議室A(28日)

■ 定員:20名(セミナーごと)
■ 参加費:EMCA研会員1000円/非会員2000円(セミナーごと)

※ご参加を希望されるセミナーごとに上記リンク先からお申込下さい。セミナー
と講師の詳細は下記のとおりです。
※セミナーに関するお問い合わせは seminar@emca.jp までお願いいたします。
※現在非会員の方で、会員価格での受講を希望される方は、可能な限り当日ま
でに入会手続きをお済ませください。
http://emca.jp/membership.php
やむをえず当日までの入会が間に合わない場合は、会場での入会も受け付けます。

■ セミナー詳細
□「ビデオデータの撮り方」
・講師:秋谷直矩(山口大学国際総合科学部)
撮影機器を比較的簡単に入手・使用することが可能になり、個人でも人々の活
動を撮影し記録に残すことができるようになりました。これは、人々の日常的
なやり取りに関心を向ける研究者にとって、非常に重要なことでした。それは
つまり、撮影機器を研究に導入することによって、

(1)人々の活動を会話やジェスチャー・視線・身体配置およびそれらと使用
する道具や周辺環境とのかかわりについて、実際の手続きを見ることができる
ようになったこと、それを
(2)「繰り返し」見ることを可能にしたということ、そして
(3)多人数でひとつのデータを検討することを可能にした

ということです。実際、エスノメソドロジー・会話分析研究を行う多くの研究
者はビデオカメラを使用するようになりました。本セミナーでは、以上のよう
な展開の背景を学習したうえで、実際に一人でビデオカメラを用いながら実践
的に学習していきます。ビデオ撮影がうまくいくかどうかで、その後のトラン
スクリプト作りやデータコレクションの作成、ひいては分析の出来不出来は大
きく変わってきます。調査・研究をスムーズに進めるための「失敗しない撮影
法」を学んでいける場にしたいと思います。

□「エスノメソドロジーの視点」
・講師:小宮友根(東北学院大学)
エスノメソドロジー研究には決まった方法がありません。それはエスノメソド
ロジー研究が、方法に合わせて対象を選定・加工する研究ではなく、なんであ
れ社会現象をそれとして成立させている人びとの方法論を対象とする研究であ
るがゆえの帰結なのですが、通常の科学研究のほうから見たときにエスノメソ
ドロジー研究を理解しづらくさせている要因でもあります。けれど、手にする
ことができる記録から「人びとの方法論」を描き出そうとする視点、これはあ
らゆるエスノメソドロジー研究に共通しています。この視点さえ理解できれば、
エスノメソドロジー研究を理解することは難しくありません。このセミナーで
は一見まったくタイプが異なるように見える研究をいくつか紹介した上でそこ
に実は共通の視点があることを示し、参加者にエスノメソドロジー研究の勘所
を掴んでもらいたいと思います。

□「エスノメソドロジーの分析」
・講師:森一平(帝京大学教育学部初等教育学科)
私たち研究者は、人びとの実践や経験について知ろうとするとき、参与観察や
インタビューなどといった様々な調査を行います。しかし、そうして得られた
(主に文字化された)データをいざ実際に分析しようとすると、これが必ずし
も容易ではないことに気づかされるはずです。本セミナーでは、フィールドノー
ツ及びインタビューデータという、主としてフィールドワークによって得られ
るデータをエスノメソドロジーの立場から分析するやりかたについてお話した
いと思います。

□「トランスクリプトの作り方」
・講師:横森大輔(九州大学言語文化研究院)
会話分析の研究では、様々な記号や記法を用いて会話データの書き起こし(ト
ランスクリプト)を作成し、分析や研究発表に利用します。そこでは、会話に
現れた語句を単に書き並べるだけではなく、各発言の産出におけるタイミング・
言い方・非言語的要素などを極めて詳細に表現します。本セミナーでは、会話
分析における書き起こしの記号や記法について解説するとともに、そもそもな
ぜそういった記号・記法が必要なのか、会話分析研究にとってトランスクリプ
トはどのように位置づけられるのか、といった点について検討します。また、
実際に会話データを書き起こす練習も行い、実践的なトレーニングの機会とし
たいと思います。書き起こしの実習作業のため、参加者の方には可能であれば
ご自身のノートPC(OSは問いません)およびイヤホンを当日持参いただくよう
お願いします。(ノートPCのご持参が難しい場合は無くても構いません)

□「行為連鎖の組織」
・講師:黒嶋智美(日本学術振興会)
私たちは、発話によってさまざまな行為を達成しながら、その直前の発話に対
する理解を示しています。そのため、ある発話は直前の発話に対する何らかの
つながりを持つものとして聞かれ、組織立った発話の「連なり(sequence)」
を構成しています。本セミナーでは、このような相互行為における「行為連鎖
組織」について取り上げます。会話の中で、発話を産出することで、行為を連
ねるとはどういうことなのか、それはどのように認識可能になっているのか、
またそれによって何が達成されているのかといった点について、会話データを
元に丁寧に解説していきます。その後、行為の連鎖組織に注目することで見え
てくることは何か、また、それに着目することで、どのように会話データを分
析する足がかりに出来るのかといったことを考えながら、会話分析における会
話データの「見方」を演習形式で学んでいきます。

□「順番交替の組織」
・講師:平本毅(京都大学経営管理研究部)
会話は複数人による発話の交換から成り立ちます。この交換を行うには、?あ
る発話がどこで終わ(りう)るかを決め、?その発話が終わったときに、次に
誰が話すかを決めなければなりません。?は会話分析において発話順番の構築、
?は発話順番の配分として知られているものです。??を管理するのが、「順
番交替」の組織です。このセミナーでは「順番交替」組織の基礎を、練習問題
を解きながら学びます。また、複数人の発話が重複してしまった場合にその重
複がどう解消されるかについても考えていきたいと思います。

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