Date: Tue, 7 Mar 2017 17:10:15 +0900 From: 尾谷昌則 <masa.odani@gmail.com> Subject: [PSJ-News:00277] [リマインダ・ご注意]公開シンポジウム「インタラクションを通じた信頼と共感」(3/11) To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp> Message-Id: <CAGLeuObCz4jao0+kymqOi3d1Wh9wx84Oe8=xtdgjYvkPj3Y9ww@mail.gmail.com> X-Mail-Count: 00277関連研究者の皆様 (重複して受け取られた方にはご容赦ください) 先日お知らせしました下記シンポジウムが今週末に迫ってまいりました. 年度末のご多忙の折かとは存じますが,皆様奮ってご参加いただけますようお願いいたします. 【ご注意】 会場の「ダイワユビキタス学術研究館」は春日門側となります. 赤門や正門からですとルートが非常に分かりにくくなりますので,春日門からお入りいただけますようお願いいたします. ----------------------------------------------------------- 公開シンポジウム「インタラクションを通じた信頼と共感」 日時: 2017年3月11日(土) 13:00-17:30 場所: 東京大学情報学環・ダイワユビキタス学術研究館 ダイワハウス石橋信夫記念ホール(3F) http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_14_04_j.html ※参加費無料,事前参加申込不要 [開催趣旨] 人間が共同して社会生活を営む上で他者への信頼や共感はなくてはなりません. 信頼と共感は人間社会を支える基本的な心的機構と位置づけられるでしょう. 家庭, 学校, 友人, ビジネス, 病院など我々は日常生活の様々な場面でコミュニケーションによって共同で課題解決に当たります. コミュニケー ションに伴う言語・非言語インタラクションは同時に当事者間での信頼や共感の形成・維持に貢献します. そして構築された信頼や共感が共同課題解決を支えます. 本シンポジウムでは信頼・共感の心的機構としての特徴付け, インタラクションを通じた形成・維持のメカニズム, 信頼・共感がインタラクションに与える影響, 人間の成長過程での信頼・共感の発達・進化などについて理論・実践の両面から研究の現状を確認し, 今後の展開について議論します. [プログラム] 13:00-13:05 開会 13:05-14:00 招待講演(1) 共感という心的バイアス:コミュニケーションの基盤としての機能を考える 橋彌和秀(九州大学) 個人・個体の「こころ」の神経機構は本来個別に「閉じた」回路であるにもかかわらず、主観的には我々は、自他間の回路が通じ合いあたかもひとつの 回路であるかのような状態を、しばしばリアルに感じて生きている。このような感覚の成立自体が、コミュニケーションを考える上で根源的な謎のひとつである。 本発表では、たとえば現象学において長年論じられてきたこの現象を、個体が外界の情報を節約的・整合的に処理するという淘汰圧のもとで成立した 適応的な情報処理バイアスと捉えなおして議論する。またその延長上に、社会を成立させる上で重要な機能を持つ心的メカニズムと考えられる「共感」 を位置づけることを提案し、成人や乳幼児、あるいはチンパンジーを対象とした自然科学的な行動実験をもとにこの問題へのアプローチを試みている 我々自身の近年の研究をご紹介する。 14:15-14:45 発表(1) 関心すりあわせはどのようにして信頼感形成につながるのか? 片桐恭弘(公立はこだて未来大学) 医療場面やコンサルテーション場面での会話の分析に基づいて, 対話を通じた相互信頼感形成の過程を対話参加者間での関心(concern)の擦り合わせと捉えることを提案する. さらに, 関心擦り合わせ過程の微視的モデルとして,対話参加者の信念・ゴール・信頼などの心的状態と発話行為との関係を記述 するための構造モデルについて考察する. 14:45-15:15 発表(2) 協働制作ミーティングとコンサルテーション会話における関心表明の比較 高梨克也(京都大学) 対話の参与者が自らの関心を表明したり,互いに相手の関心に配慮したりすることはコミュニケーションを通じての信頼感形成において重要な役割を 果たしていると考えられる.しかし,より具体的な関心表明や応答の仕方については,対話の目的や参与者間関係の違いに応じて異なる可能性もある. この点について,本発表では,展示制作のための多職種チームのミーティングと起業コンサルテーションとの比較を通じて論じる. 15:15-15:45 発表(3) コンサルテーション会話における関心すりあわせの談話行為と非言語行動 榎本美香(東京工科大学)・伝康晴(千葉大学) コンサルテーション会話では、コンサルタントとコンサルティが互いの関心をすりあわせるために、関心や提案の提示がなされ、それに対する評価や修正 がなされる。この過程において主導権を握るのはおもにコンサルタントであると考えられる。本研究では、コンサルタントの正評価/受諾や負評価/拒否 といった反応が談話行為や非言語行動としてどのように表出され、参与者たちの共関心の形成に影響するのかを微視的に分析する。 15:45-16:15 招待講演(2) クライアントと信頼を築けた要因をコンサルタントがどう語ったか? ?コンサルティングの現場や研修を紹介します? 羽物俊樹(スカイライトコンサルティング株式会社・代表取締役) 弊社は経営コンサルティングを2000年から実施している。クライアントから評価いただいているコメントには、深い信頼に裏打ち されたものが多い。なぜ、その信頼につながったのか、現場のコンサルタントへのインタビューをもとにご紹介する。また、信頼の根幹の一部となる 「相手に伝える」というテーマで、実際にコンサルタントに実施している研修の一部をご紹介する。 16:30-17:30 パネル討論「信頼と共感の理論・実践研究の発展を目指して」 司会:片桐恭弘 (公立はこだて未来大学) パネリスト(予定):橋彌和秀 (九州大学),榎本美香 (東京工科大学), 高梨克也(京都大学),小川育男 (スカイライトコンサルティング株式会社) [主催] 科学研究費・基盤研究(B)15H02752 「会話を通じた相互信頼感形成の共関心分析とコミュニケーション支援の研究」 代表: 片桐恭弘(公立はこだて未来大学) --------------------------------- 高梨 克也 京都大学大学院情報学研究科 takanasi@sap.ist.i.kyoto-u.ac.jp http://trialogique.com/ ---------------------------------277_2.html (attatchment)(tag is disabled)