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Date: Tue, 12 Sep 2017 19:55:48 +0900
From: 尾谷昌則 <masa.odani@gmail.com>
Subject: [PSJ-News:00305] 公開シンポジウム「祭りの支度を通じた共同体〈心体知〉の集団学習メカニズムの解明」のご案内
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
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日本語用論学会会員の皆さま

高梨克也先生(京都大学)より、表記のシンポジウムの案内を頂きましたので、会員の皆さまにお知らせ致します。


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公開シンポジウム
「祭りの支度を通じた共同体〈心体知〉の集団学習メカニズムの解明」
のご案内

#重複して受け取られた方にはご容赦ください.

日時: 2017年9月23日10:00-18:00
場所: 東京工科大学蒲田キャンパス 12号館6F多目的室
http://www.teu.ac.jp/campus/access/006644.html
※参加費無料,事前参加申込不要

開催主旨:

私たちの研究グループでは、2012年から5年間に渡って野沢温泉の道祖神祭り
・湯澤神社例祭の調査を行ってきました。このシンポジウムでは、私たちの
研究成果を紹介するとともに、今後の展開について皆さまと議論したいと
思います。

この研究では、村に伝わる伝統的な祭りの支度を共同で行うことで、後継者
世代が仲間内や現役世代と多対多の相互作用を通じて共同体固有の〈心体知〉
を伝承していく過程を紐解こうとしています。共同体〈心体知〉とは、以下
のように、個々人が持つ知識・技法・習性のうち、他の成員と共有する部分
を指し、世代内・世代間の相互作用を通じて獲得されていくものです。

〈心〉 成員たちがもつ価値観や見識、信頼感といったエートス
(e.g. 他者への気配り、自己犠牲の精神)
〈体〉 成員間で力や身体位置の配分が必要な協働活動技法
(e.g. 環境や道具に応じた他者との協調的動作)
〈知〉 成員たちが持つ祭りに固有の共有知識
(e.g. 縄の結び方、唄・舞など)

先行研究に実践的共同体における相互作用の中で成立するという状況的学習
理論がありますが、そのほとんどが熟達者がもつ知識や技術を初心者個人が
どう引き継ぐかという個対個の学習モデルです。これに対し、我々は、
現役者たちと後継者たちという多対多のモデルを扱っています。初心者が
教え導かれるだけでなく、現役者も仲間内での相互作用から〈心体知〉を
獲得・共有・強化していきます。ここでは、祭りの準備作業の様々な局面に
焦点をあて、成員たちが共同体〈心体知〉を習得していくために用いている
方法に関する研究成果を報告し、今後の展開について議論したいと思います。

[プログラム]

10:00-10:10
 榎本 美香  開会の挨拶 ・趣旨説明

第1部
〈知〉の伝承
10:10-10:40
坊農 真弓 「教える手・学ぶ手:野沢温泉村火祭りの縄編み・縄結び
伝承にみる手のプロソディ」

第2部
〈体〉の伝承
10:40-11:20
寺岡 丈博 「猿田彦の舞における拍子方の相互行為分析」
11:20-12:00
高梨 克也 「協働作業における身体動作と相互行為の融合」

<<昼休憩>>

13:00-14:00
細馬 宏通 「運動調整仮説:共同作業の時間枠としての歌と掛け声」
14:00-14:40
伝 康晴 「会話時の身体の空間配置と成員性」

第3部
  〈心〉の伝承
14:50-15:30
坂井田 瑠衣 「多層的な成員性がもたらす会話場の再編」
15:30-16:10
阿部 廣二 「「段取りよく」と「完璧に」との相剋で問題はいかに
共有されるか」
   16:10-16:50
榎本 美香 「突発的事態に対処する心構えの学び」

第4部
17:00-18:00
議論 〈知〉〈体〉〈心〉それぞれの因果関係について議論する

[主催]
科学研究費・基盤研究(B) 15H02715
「祭りの支度を通じた共同体〈心体知〉の集団学習メカニズムの解明」
代表:榎本美香(東京工科大学)

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