Date: Tue, 30 Jan 2018 10:43:14 +0900 From: 尾谷昌則 <masa.odani@gmail.com> Subject: [PSJ-News:00341] ワークショップ 「みんなの知らない方言の世界」のお知らせ To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp> Message-Id: <CAGLeuOZnsc0u6fiWHOzybk-5GQPADrHyGpn6ONr9iDU08bhqLA@mail.gmail.com> X-Mail-Count: 00341日本語用論学会会員の皆さま 片岡邦好 先生(愛知大学)より、 愛知大学人文社会学研究所主催ワークショップ 「みんなの知らない方言の世界」のご案内を頂きましたので、会員の皆様にお知らせ致します。なお、本情報を重複してお受け取りになっている場合は、何卒ご容赦ください。 ----------------------------- 愛知大学人文社会学研究所主催ワークショップ「みんなの知らない方言の世界」を下記のとおり開催いたします。 今回の企画では、私たちの言語生活の中にあふれる気づか(れ)ない方言について、愛知の方言からテレビ番組、メディア、国会審議に至るさまざまな場面を通 じて、「方言とは何か」を考える機会を提供します。ご関心のある方はどうぞ奮ってご参加ください。 --------------------------------------------- 愛知大学人文社会学研究所主催ワークショップ 「みんなの知らない方言の世界」 ■ 主催:愛知大学人文社会学研究所 ■ 日 時:2018年3月25日(日) 13:00 ? 17:30 申し込み不要、聴講無料 定員40名 ■ 会 場: 愛知大学 豊橋校舎 研究館1階 第1・2会議室 アクセス:http://www.aichi-u.ac.jp/profile/campus-toyohashi.html ■ プログラム 13:00-13:10 開会あいさつ 伊東 利勝 (愛知大学人文社会研究所長) 13:10-13:20 趣旨説明 片岡 邦好 (愛知大学) 13:20-14:00 標準語のようで標準語ではない愛知県ことば 朝日 祥之 (国立語研究所) 14:00-14:40 方言とアイデンティティー ―“自分らしさ”の拠り所としての方言― 高野 照司 (北星学園大学) 14:40-15:20 自分の「声」として方言―メディアの中の方言使用を例に― 太田 一郎 (鹿児島大学) 15:20-15:40 休憩 15:40-16:20 「方言」の飛び交う国会審議 松田 謙次郎 (神戸松蔭女子学院大) 16:20-17:00 地方議会会議録にみえる方言 二階堂 整 (福岡女学院大学) 17:00-17:20 質疑応答 17:20-17:30 閉会あいさつ ■ 発表要旨 「標準語のようで標準語ではない愛知県のことば」 朝日 祥之 (国立国語研究所) 愛知県の出身であれば,「自分は標準語を使っている」と考える人は少なくない。もちろん,旧来からの方言(名古屋弁,三河弁など)として知られてきた「方言」 は,生活様式や習慣,食品,こどもの遊びなどに存在してきたが,その多くは現在使用しなくなっている。ここでは,私たちが「標準語」だと思っているものが 実は「方言」であることを,身近な例を挙げながら詳しく紹介する。 「方言とアイデンティティー ―“自分らしさ”の拠り所としての方言―」 高野 照司 (北星学園大学) 北海道のことばは,方言色が薄く,大多数の道産子(北海道で生まれ育った人)には方言話者としての自覚がほとんどない。しかし,本来の“自分らしさ”が脅威 にさらされた状況では,そんな北海道方言も話者の存在の証として重要な役割を果たす。本講演では,急速なグローバル化による生活変化が著しい北海道のある 田舎町でのフィールドワークを基に,方言が地元への郷土愛や忠誠心をアピールするコミュニケーションツールとして住民の生活の中でどのように息づいている のかを紹介する。 「自分の「声」としての方言―メディアの中の方言使用を例に―」 太田 一郎 (鹿児島大学) 最近の若者の方言の使い方を観察していると,たとえば首都圏の人が「なんでやねん」と関西弁でツッコミを入れるなど,自分が生まれ育った地域以外の方言を 使う例をよく見かける。このような方言の使用は,方言と地域の結びつきがだんだん弱くなり,地域の枠を超えて人びとが利用できる「ことばの資源」となった ためと考えることができる。この発表では,朝ドラ「あまちゃん」に見られる方言と標準語の切り替えを例に,現代社会における方言の意味を考えてみたい。 「「方言」の飛び交う国会審議」 松田 謙次郎 (神戸松蔭女子学院大学) 「国権の最高機関」と称される国会における発言は,そのすべてが国会会議録に収められており,最近では衆参両院による審議動画の公開も行われている。こう した発言記録を分析すると,国会審議においても議員の出身地方言が使われていたり,国会のみでしか通用しない「国会方言」が誕生し拡散していることが分か る。ここでは,一般にはあまり知られていない国会における方言使用について詳しく紹介したい。 「地方議会会議録にみえる方言」 二階堂 整 (福岡女学院大学) 現在,全国の地方議会の約8割が,会議録(いわゆる議事録)をネット上に公開している。会議録は基本的に議員の発言をそのまま文字化している。この会議録 を,その土地の話し言葉の資料として利用することが可能である。本講演では,地方議会の会議録を使って,現在のその土地の方言の状況を明らかにしていく。 ■ お問い合わせ先 愛知大学人文社会学研究所 〒441-8522 豊橋市町畑町1-1 : E-mail:irhsa@ml.aichi-u.ac-jp URL:http://taweb.aichi-u.ac.jp/irhsa/341_2.html (attatchment)(tag is disabled)