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Date: Tue, 5 Mar 2019 08:21:24 +0900
From: 尾谷昌則 <masa.odani@gmail.com>
Subject: [PSJ-News:00458] 【リマインダー】第9回動的語用論研究会のご案内
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
Message-Id: <CAGLeuOb3MwvRpBKfWhQ1JF_+DgGx8mB2X1kSyHusWqA7szRuow@mail.gmail.com>
X-Mail-Count: 00458

日本語用論学会会員の皆さま
(※ML専用アドレスから配信しておりますので、本メールへの返信はご遠慮ください。)

田中廣明先生(京都工芸繊維大学大学)より、「第9回動的語用論研究会」のご案内を頂きましたので、会員の皆さまにお知らせ致します。
なお、重複してお受け取りの場合は、何卒ご容赦下さい。

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皆さま

来週になりましたので、再送でご案内を差し上げます。
第9回動的語用論研究会を、3月10日(日)に京都工芸繊維大学で開催いたします。ふるってご参加下さい。
https://sites.google.com/site/dynamicpragmatics/home

田中廣明
京都工芸繊維大学

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「第9回動的語用論研究会--動的語用論(Dynamic
Pragmatics)の構築へ向けて」(京都工芸繊維大学・田中廣明研究室主催)を、第1回目?第8回目と同じく京都工芸繊維大学で、来る3月10日(日)に開催いたします(今回も1:00
p.m.?5:00 p.m.までと開催時間が早くなっておりますので、ご注意下さい)。今回も、「動的語用論の構築へ向けて」と題し、「コミュニケーションに潜むダイナミズム」をテーマに掲げたいと思います。第一部では研究発表として、「発話形式に見られるダイナミズム」を、まず、歴史語用論(ドイツ語)の観点から「一つの発話形式が持つ語用論的多重性(曖昧性)」を、さらに、情報の縄張りの観点から「発話形式の選択に見られる語用論的ダイナミズム」を、お二方の講師に切り込んでいただきます。第二部では、講演として、言語に見られる「詞」に焦点を当て、「詩的言語の静態と動態」から見たダイナミズムについて切り込んでいただきます。
第一部では、歴史語用論(ドイツ語)から佐藤恵氏(獨協大学)、会話分析から早野薫氏(日本女子大学)による研究発表を行います。第二部では、エスノメソドロジー・詩的言語から片岡邦好先生(愛知大学)をお迎えし、ご講演を行っていただきます。

今回の第9回動的語用論研究会の開催が、我が国の言語研究に一石を投じられたらという願いで開催したいと思います。ふるってご参加ください。


日時:2019年3月10日(日)1:00 p.m?5:00 p.m.
場所:京都工芸繊維大学(松ヶ崎キャンパス)60周年記念館1階記念ホール
http://www.kit.ac.jp/
交通案内 http://www.kit.ac.jp/uni_index/access/
最寄り駅から松ヶ崎キャンパスへの案内 http://www.kit.ac.jp/uni_index/matsugasaki/

キャンパスマップ https://www.kit.ac.jp/uni_index/campus-map/
https://www.kit.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2013/06/map_matsugasaki181001.pdf



受付:12:30 p.m.?
趣旨説明と講師紹介:1:00p.m.?1:10 p.m.
「コミュニケーションに潜むダイナミズム」:田中廣明(京都工芸繊維大学)

第一部 【研究発表】
1:10 p.m.?3:00 p.m.
テーマ:「発話形式に見られるダイナミズム」
1.1:10 p.m.?2:00 p.m.
佐藤 恵(獨協大学)
「18・19世紀のドイツ語前置詞の格支配に関する歴史語用論的考察
―戯曲とベートーヴェンの筆談帳に見える『親密』『敬意』そして『疎遠』」

2. 2:10 p.m.?3:00 p.m.
早野 薫(日本女子大学)
「保育士?保護者間インタラクションにおける『情報のなわ張り』」

(休息)

第二部 3:30 p.m.?5:00 p.m.
テーマ:「詩的言語のダイナミズム」
【講演】
「詩的言語の静態と動態:民族詩学の可能性にむけて」
片岡 邦好先生(愛知大学)

連絡先:田中廣明(京都工芸繊維大学)
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎橋上町 京都工芸繊維大学
Tel. 075-724-7252(田中廣明研究室直通)Email: htanaka@kit.ac.jp
参加費は無料。事前登録必要なし。
終了後、懇親会5,000円(場所は未定。懇親会参加希望者は田中廣明まで上記メール宛先にご連絡をいただけたら)


世話人兼発起人:田中廣明(京都工芸繊維大学)・岡本雅史(立命館大学)・小山哲春(京都ノートルダム女子大学)・木本幸憲(名古屋大学PD)・西田光一(下関市立大学)・五十嵐海理(龍谷大学)・山口征孝(神戸市外国語大学)・吉田悦子(三重大学)・秦かおり(大阪大学)


発表要旨

「18・19世紀のドイツ語前置詞の格支配に関する歴史語用論的考察
―戯曲とベートーヴェンの筆談帳に見える『親密』『敬意』そして『疎遠』」
佐藤 恵(獨協大学)
本発表では、18・19世紀においてドイツ語の前置詞wegen[英:because
of]の属格支配と与格支配にどのような語用論的機能が認められるかについて、Brown and
Levinson (1987)
とWatts (1992)のポライトネス理論を援用しながら考察する。1750年から1850年までの戯曲39作品における会話文(約10万語)を分析すると、与格支配は、話し手と聞き手の身分が同程度もしくは聞き手のほうの社会的地位が低いときに用いられ、「親密さ」の「ポジティブ・ポライトネス」として機能するのに対して、属格支配は、話し手と聞き手の社会的地位と心理的距離の違いに応じて、「疎遠」の表れであると解釈できる場合と、「敬意」または「品位」を表す「ポリティック」な機能を持つ場合とがある。晩年に聴覚を失ったベートーヴェンの筆談帳(1818-1827)に書き込まれた疑似的会話文を詳細に検討してみると、甥カールがベートーヴェンにほぼ毎回属格支配を用いている。これは、ベートーヴェンに対する「敬意」の用法であるという解釈のほかに、この二者が良好な関係になかったという史実からして「疎遠」の用法と見ることもできる。

「保育士?保護者間インタラクションにおける『情報のなわ張り』」
早野 薫(日本女子大学)
神尾(1990)は、話し手が発話形式を選択する上で、その発話で言及する情報が誰の「なわ張り」に属するかを判断していると論じている。例えば「話し手自身の近親者またはごく身近な人物についての重要な個人的事実・行動予定、計画など」をあらわす情報であれば、それは話し手のなわ張りに属する情報とみなされ、しかるべき発話形式が用いられるわけである。しかしながら、「親」というアイデンティティが、他者とのやりとりの中で常にレリバントであるとは限らず、他のアイデンティティ(例えば保育の専門家/素人)が発話形式の選択に寄与することもある。本講演では、保育士と保護者のインタラクション・データを会話分析の手法を用いて分析し、子どもに関する情報が誰の「なわ張り」に属するのか、それを動的に交渉するために用いられる言語的、非言語的リソースを検討する。

引用文献:
神尾昭雄(1990)『情報のなわ張り理論』, 東京:大修館.


「詩的言語の静態と動態:民族詩学の可能性にむけて」
片岡邦好(愛知大学)
日常に浸透する「詩」は、他/異文化の住人に認知されにくく、各々の言語・文化の評価体系を通じてそれを感得しうる人物か否かを篩にかける。このような行為が社会組織(学校、法廷、病院、公的機関、メディアなど)の中で行われるとき、認識の不均衡のみならず権利の不平等を生みかねない(Blommaert
2005)。このような詩的実践と社会の関係は重大な帰結をもたらす可能性がありながら、従来の言語学においては深く顧みられずにきた。本発表では「民族詩学」(Hymes
1981, 1996)勃興の契機となったJakobson(1960)の詩的言語の定義に基づき、いばしば上位文化の典型とされる「詩」が、日常言語に遍在することを指摘した上で、詩的言語使用の民族/文化的齟齬から生じうる不均衡と不平等の諸側面を考える。今後、外国人労働者や移民のさらなる受け入れを控え、異なる民族詩学的慣行の理解はますます重要となろう。また、そのような齟齬は発話内容にとどまらず、情報構築(レトリック)からことばに伴う身体調整にまで及び、相互行為において立ち現れる点で、常に動的な視点を必要とするものであることを述べる。



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