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Date: Mon, 15 Feb 2021 01:47:22 +0000
From: YAGIHASHI Hirotoshi <yagihashi@ks.kyorin-u.ac.jp>
Subject: [PSJ-News:00634] 東京言語研究所公開講座「地震、英語、研究倫理:その建前と本音」(オンライン開催)
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
Message-Id: <TY2PR02MB38218E0D58FDEA52F8DAF291E9889@TY2PR02MB3821.apcprd02.prod.outlook.com>
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日本語用論学会会員の皆さま
(※ML専用アドレスから配信しておりますので、本メールへの返信はご遠慮ください。)

東京言語研究所より、公開講座「地震、英語、研究倫理:その建前と本音」(ことばと関連した諸分野の第一線で活躍されている講師による講義)のご案内を頂きましたので、会員の皆さまにお知らせ致します。
なお、重複してお受け取りの場合は、何卒ご容赦下さい。

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日本語用論学会会員の皆様

東京言語研究所では、2月27日(土)に公開講座「地震、英語、研究倫理:その建前と本音」を
オンラインで開催いたします。

講師はロバート・ゲラー氏(東京大学名誉教授/地震学)、使用言語は日本語です。

ご専門は地震学ですが、かつて『英語教育』(大修館書店)にて「東大教授 ゲラー先生と西村先生
の英語弱点克服教室」という連載をご担当されるなど、ことばに関わるご実績も多くあります。

「ことば」を切り口として、ご専門の地震・研究倫理そして英語に関してご講演くださいます。

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■公開講座…ことばと関連した諸分野の第一線で活躍されている講師による講義

2月27日(土)14:00〜17:00

講師:ロバート・ゲラー氏(東京大学名誉教授/地震学)
「地震、英語、研究倫理:その建前と本音」

受講形式:オンライン(ZOOM)
受講料:2000円(税込み)

内容詳細: https://www.tokyo-gengo.gr.jp/pdf/20210227.pdf

申込締切:2月22日(月)10:00まで 
申込:以下の受講フォームからお申し込みください。
https://shurl.jp/3OxO

【講義要旨】
人生と言語の面白さは各論にあります。本講演では幅広い事例をご紹介して、その面白さを皆さんと共有したいと考えています。参加者のうち特に文系の方々は、私がお話しする理系の現状にビックリしていただけるのではないかと期待しています。

まず、「地震予知」(英語では earthquake prediction)を考えてみましょう。地震はもちろん恐ろしい現象ですから、言うまでもなく、(私を含めて)だれもが、地震を予知できるようになることを望んでいます。しかし、この希望は「科学的根拠に基づいて正確に予知ができるのであれば」といった条件が満たされていることを(明示はしなくても)暗黙の前提にしているはずです。

“Is earthquake prediction possible?”「地震予知は可能か」は単純そのものの問いのように思われがちですが、蓋をあけてみると、簡単ではないことが分かります。適切な答えは “That depends on the definition of ‘earthquake prediction’”というものです。詳細は講演でご説明しますが、結論は、実際に社会のためになりうるような地震予知は現時点ではできない、ということになります。しかし、残念ながら、国内外の一部の研究者は、まるで国会答弁のように、巧みに言葉を選んで一般人の期待を(過度に)誘導することによって、研究費を獲得しています。要するに、日本でも海外でも、地震学分野にかぎらず、研究者は、自分の都合に合わせて、100%真実と 100%嘘の間にある境界領域に(ときには無理があるとわかっていながら)踏み込んでしまうことがよくあるのです。そうした例をいくつか紹介します。

このように、理系の人間が話すときには、それ以外の人たちの場合と同様に、立場と思惑があるものです。したがって、理系の専門家の話を受け身の姿勢で聞くのではなく、アクティブ・リスニングが必要になります。

研究倫理(research ethics)は近年社会的に話題になっています。特に 2014 年のSTAP 細胞研究不正騒動後には、メディアでも頻繁に不正の事例が取り上げられました。その中には、文系の人たちには思いもよらぬ問題もあります。例えば、論文の「著者」(author)となる資格を有するのは誰なのでしょうか。文系の皆さんは「ペンを手にして文章を書いた(近年であれば、キーボードを叩いて打ち込んだ)人に決まっているでしょう」とお答えになるかもしれませんが、理系では10名以上の共著者がいる論文は決してまれではありません。したがって、誰が著者になるべきなのかは意外に複雑な問題なのです。この講演ではこのような事例をできるだけ多く紹介していきます。

日本では英語についていろいろなステレオタイプが独り歩きしています。「日本語の表現には婉曲的なものが多いのに対して、英語の表現は「直球」ばかりだ」というのもその例です。しかし、言語は人間の特性を反映するものであり、地球上どこでも人間は同類の動物なのですから、表現したいことがそれほど異なるはずはなく、したがって、表現できることが(表現法は多少違っても)言語間でそれほど大きく異なるはずもありません。事実、英語にも「変化球」的な表現が多々ある一方で、日本語で「直球」を投げることもできるのです。

それでは、日本人の間に英語についての根強い勘違いがあるのはなぜなのでしょうか?主たる理由は、日本の学習者は英語のごく一部しか学ばないため、母語話者が日常生活でごく普通に使っている表現なのに日本人学習者は知らない、というものが多すぎることだと私は考えています。この講演では多種多様な英語の例(私は「フルスペック英語」と呼んでいます)を紹介して、日本人の誤解の解消に努めたいと思います。
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皆様のご参加をお待ちしております。


(公財)ラボ国際交流センター 
東京言語研究所
http://www.tokyo-gengo.gr.jp/


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