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Date: Thu, 9 Sep 2021 10:58:26 +0000
From: YAGIHASHI Hirotoshi <yagihashi@ks.kyorin-u.ac.jp>
Subject: [PSJ-News:00673] 第13回動的語用論研究会のご案内
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
Message-Id: <HK0PR02MB38125D9713D25F1862301F35E9D59@HK0PR02MB3812.apcprd02.prod.outlook.com>
X-Mail-Count: 00673

日本語用論学会会員の皆さま
(※ML専用アドレスから配信しておりますので、本メールへの返信はご遠慮ください。)

田中廣明先生(京都工芸繊維大学)より、「第13回動的語用論研究会」のご案内を頂きましたので、会員の皆さまにお知らせ致します。
なお、重複してお受け取りの場合は、何卒ご容赦下さい。

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皆様

 第13回動的語用論研究会を下記の通り開催いたします。オンラインですので、ふるってご参加下さい。よろしくお願いいたします。

田中廣明


第13回動的語用論研究会

https://sites.google.com/site/dynamicpragmatics/

日時:2021年9月26日(日)12:50A.M.〜5:00 P.M.
場所:ZOOMによるオンライン開催

参加申し込み: https://forms.gle/Uzfes7BTUmd6xk7c6

上記サイトに必要事項を記入の上、申込締切:2021年9月23日(木)23:59までにお申し込み下さい。Zoom情報は9月25日までに申込者のメールアドレスにお知らせいたします。当日は17:30からオンライン懇親会(無料)がございます。

趣旨説明と講師紹介:                                   12:50 a.m.〜1:00 p.m.
「ことばと社会のダイナミズム」 田中廣明(京都工芸繊維大学・名誉教授)

第一部 【研究発表】                                 1:00 p.m.〜3:40 p.m.
テーマ:「ことばのダイナミズム」 

1. ツォイ エカテリーナ (一橋大学)                1:00 p.m.〜1:50 p.m.
「課題達成会話における日本語母語話者と非母語話者の共同発話構築」

2. 大塚 生子 (大阪工業大学)           1:50 p.m.〜2:40 p.m. 
「動的イン/ポライトネス研究の試み
インポライトネス場面におけるフェイスワークに着目して」

(休憩)

3.横森 大輔 (京都大学)                  2:50 p.m.〜3:40 p.m.
「相互行為の資源としての「学習英文法」の知識と経験:英語授業内グループワークの会話分析から」

第二部 【講演】                            3:40 p.m.〜5:00 p.m.
テーマ:「ことばと社会のダイナミズム」

【講演】
「動く!「英会話」の軌跡ー社会言語実践として見るメディアと英語学習」
井上 逸兵 (慶應義塾大学)

終了後、17:30よりオンライン懇親会の予定(無料)。こちらもふるってご参加下さい。

連絡先:田中廣明(京都工芸繊維大学)
世話人兼発起人:田中廣明(京都工芸繊維大学・名誉教授)・秦かおり(大阪大学)・吉田悦子(三重大学)・山口征孝(神戸市外国語大学)・岡本雅史(立命館大学)・小山哲春(京都ノートルダム女子大学)・木本幸憲(兵庫県立大学)・西田光一(山口県立大学)・五十嵐海理(龍谷大学)

発表要旨

1. 課題達成会話における日本語母語話者と非母語話者の共同発話構築
ツォイ エカテリーナ (一橋大学)

 会話は、話者の予想により展開していくものであり、それを滞りなくスムーズに進めていくには参加者間の共通認識および習熟した言語能力が必要となる。しかし、充分な言語能力を備えていない非母語話者にとっては会話の流れの把握および文脈理解が困難なため、会話中に発話上のトラブルやミスコミュニケーションが生じてしまう。発話上のトラブルへの対処方法の一つとして複数の話者で一つの発話を作り上げるという言語行動が取られることがあり、それを「共同発話」と言う。また、共同発話は、発話上のトラブル解消のみならず、会話参加者間の共通認識に基づく連帯感作りの手段でもあり、自然な会話によく見られる現象である。本発表では、接触場面における三者間課題達成会話のデータから発話トラブルの事例を取り上げ、日本語母語話者と非母語話者の共同発話構築による理解促進および補助のプロセスを示す。

2.動的イン/ポライトネス研究の試み
インポライトネス場面におけるフェイスワークに着目して
大塚生子 (大阪工業大学)

現在でもポライトネス研究の代名詞として引き合いに出されることの多いBrown and Levinson (1978, 1987)のポライトネス理論の発表から40年以上が経過し、ポライトネス研究は2000年台初頭のいわゆる「Discursive Turn」を経て、現在ではインポライトネスを含むより広範な対人コミュニケーションを扱う分野へと発展している。インポライトネスは今や、「ポライトネスの失敗」ではなく、それ自体が我々の日々の言語実践の一部であると捉えられている。

一方で、相互行為において相手から「インポライト」であると評価されることは、継続的な人間関係の構築・維持にとって望ましいことではない。相手との人間関係の維持と、互いのフェイスや感情、利害が対立する場合、人々はどのようにそれに折り合いをつけながら相互行為を行っているのだろうか。

本発表では、「ママ友間の対立」および「男性の先輩・後輩間のマウンティング」のテキストメッセージの交換をデータとし、内容・言語形式・パラ言語(絵文字等)等の組み合わせによって調整されるフェイスワークに着目して、インポライトネスと人間関係調整のダイナミズムを捉えることを試みる。

3. 相互行為の資源としての「学習英文法」の知識と経験:
英語授業内グループワークの会話分析から
横森 大輔 (京都大学) 

会話の中でなんらかの知識や経験を参照する際、その内容や情報としての確からしさだけでなく、それがどのように機会づけられたものか(どのように得られた知識か、本人が直接体験したことかetc.)、ということを人々は巧妙に区別して取り扱っている(Kamio,1994; Clark, 1996; Hayano,2013)。素朴に考えれば、相手と一緒に得た知識・経験は共有の知識・経験として扱われ、相手と別々の機会に得た知識・経験は、それぞれの私的な知識・経験となる。しかし、ある種の知識・経験は、人々が別々の機会に得たものであるにも関わらず、共有の知識・経験として取り扱われることがある。そのような一つの事例として、本稿では、日本人大学生が英語の文法の知識について議論する際に、大学入学までに学んだいわゆる「学習英文法」(大津,2012)の知識と経験を、相手と共有されたものとして取り扱うという相互行為実践に焦点を当てる。大学英語授業内で収録された、英文法演習についてのグループワーク(5組で合計約75分間)の映像データを会話分析の手法を用いて分析し、問題の回答の根拠を互いに提示しあうやり取りの中で、学習英文法の知識・経験の共有性をあてにすることによって、グループワークという活動が達成されている様を例証する。

4. 動く!「英会話」の軌跡ー社会言語実践として見るメディアと英語学習
井上 逸兵 (慶應義塾大学)

英語は日本人の多くにとって最も身近な外国語だが、この言語の幕末、明治以来の日本社会での受容は社会言語学的な関心事でもある。このトークでは、特に戦後のテレビ英語番組の展開をそれぞれの時代的要因を勘案しつつコンテクスト化し、社会言語実践としての動向を取り上げたい。

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