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Date: Sat, 7 Jan 2023 01:24:49 +0000
From: YAGIHASHI Hirotoshi <yagihashi@ks.kyorin-u.ac.jp>
Subject: [PSJ-News:00810] 【リマインド・要旨追加】2022年度ひと・ことばフォーラム連続研究会「「多様性」を捉え直す」ご案内
To: psj-news <psj-news@pragmatics.gr.jp>
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日本語用論学会会員の皆さま
(※ML専用アドレスから配信しておりますので、本メールへの返信はご遠慮ください。)

東泉裕子先生(東洋大学)より、「2022年度ひと・ことばフォーラム連続研究会『「多様性」を捉え直す』」のご案内を頂きましたので、会員の皆さまにお知らせ致します。
なお、重複してお受け取りの場合は、何卒ご容赦下さい。

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当フォーラムは、様々な言語現象を研究対象に「ことばと人はどうかかわるか」を考える研究グループとして2012年に発足しました。ことばと関連した「移動」、「メディア」、「語用論」などをメインテーマとして取り上げ、2019年度までは関東・関西をオンラインで結び年2回、対面の特別公開研究会を年1回のペースで研究会を実施してきました。
2020年度からは新型コロナウィルス感染症拡大の状況を踏まえ、年3回の研究会をオンラインで開催してきました。2020年度は「マイノリティ言語を生きる」、2021年度は「言語的コンプレックス」を年間の連続テーマに設定し、連続テーマのサイクル3年目となる2022年度は、「「多様性」を捉え直す」をテーマに、計3回の研究会を下記のように開催いたします。近年の社会動向を象徴するキーワードに「多様性」がありますが、そこから湧き上がる様々な疑問や議論を通して、私たちの言語、コミュニケーションに対する意識や枠組み、研究姿勢を問い直したいと考えています。

第36回(2022年度第1回)「危機言語」を捉え直す 6月11日(土)
第37回(2022年度第2回)「境界」を捉え直す 10月8日(土)
第38回(2022年度第3回)「研究」を捉え直す 2月4日(土)

2022年度第3回目(通算第38回)は、沖縄の言語復興活動に携わってきた山田真寛氏(国立国語研究所)と、「移動する子ども」学を打ち立てて研究を牽引してきた川上郁雄氏(早稲田大学)をお迎えします。私たち自身にとって、また社会にとって「研究」とはどのような意味をもつものなのでしょうか。今回は、まず、このテーマを設定するに至る社会状況の変化と学会・研究会の状況を考える問題提起をフォーラム側(三宅和子)から投げかけます。その上で、既存の研究の枠組みを越えた課題に挑戦する姿勢と方法論を展開する山田真寛氏、川上郁雄氏のお二人に、それぞれの立場と視点を絡めた研究内容についてお話しいただきます。最後に、話題提供者、発表者の議論に加え、全体ディスカッションを通じて、ことばと社会の問題を追究する研究の捉え直しをめざします。

☆開催日時:2023年2月4日(土)14:00〜17:00
☆会場:ハイブリッド(対面:文京学院大学本郷キャンパス、オンライン:ZOOM併用)
※オンライン参加申込をされた方に2月2日(木)にURL及びパスワードをお送りします。
☆参加費:無料
☆プログラム:
14:00-14:05 イントロダクション 
14:05-14:35 話題提供者:三宅和子(東洋大学)
14:35-15:25 発表者:山田真寛(国立国語研究所)
「琉球の言語復興活動を通して「研究」とは何かを再考する」
15:25-15:35 休憩(10分)
15:35-16:25 発表者:川上郁雄(早稲田大学)
「移動の経験と記憶から「学」を問い直すー「移動する子ども」学の誕生」
16:25-16:30 休憩(5分)
16:30-17:00 全体討論
※対面参加者の希望のみで懇親会も実施します(感染状況によってはキャンセルの場合あり)

☆企画:三宅和子(東洋大学)、新井保裕(文京学院大学)

学期中のご多忙の時期とは存じますが、多くの方にご参加いただければ幸いです。ハイブリッド開催の都合上、ご参加を希望される方は2023年2月1日(水)までに下記フォームよりお申し込みください。多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf1jPkwT4ZduCgtuIlhnBqNZkdc3NmfvKAVneeHVfdRLR2r0g/viewform?usp=sf_link

☆話題提供趣旨 
・三宅和子(東洋大学)「なぜ「研究」を捉え直すのか」
激動の21世紀の世界におけることばの研究はどうあるべきかがいま、私たちに突きつけられている。待ったなしの環境問題、情報化社会の光と影、混迷を深める国際情勢、ポピュリズム政治、移民や難民の流動的な動きなど、現代的問題を抱える社会で、ことばの研究も、従来の研究の枠組みの死守、研究の蛸壺化、保身主義の研究や学会運営では問題解決の糸口や貢献につながらない。ことばの「研究」とは、私たち個人個人にとって、また社会にとってどのような意味をもつのか、人生をかけたい研究・教育とはどのようなものか、「人の見える研究」、「人と繋がる研究」とは…研究領域の越境、研究を通しての人生の問い直しなど、個人と社会にとってのことばの研究の意味をあらためて議論したい。

☆発表趣旨
・山田真寛(国立国語研究所)
ユネスコは日本に8つの消滅危機言語があると報告しているが、ほぼすべての日琉語諸方言が、世代間継承の断絶した「いま何もしなければ」なくなってしまう言語体系だと考えられる。発表者は主に沖永良部島(北琉球諸語、鹿児島県大島郡)において、フィールドワークをとおして文法記述を行いながら、言語コミュニティメンバーと沖永良部語再活性化のための協働プロジェクトを進めている。また日本では学問分野として成立していない言語の再活性化(language revitalization)に関して、一般化された共通知を得るための研究を行っている。
 多くの協働プロジェクトをとおした発表者の研究は、(1)学術研究成果の地域還元だろうか。また(2)地域言語コミュニティメンバーを搾取しているだろうか。発表者のプロジェクトを概観した後で「研究を問い直す」という観点から議論を行いたい。

・川上郁雄(早稲田大学)
 幼少期・成長期に複数言語環境で成長する子どもが世界的に増加している。これらの子どもたちは既成のカテゴリーを超えて「移動」を体験しながら成長している。発表者は「空間」「言語間」「言語教育カテゴリー間」を移動する「移動の経験と記憶」を「移動する子ども」と呼び、これを分析概念として21世紀に生きる子どもから成人、高齢者までの生のあり様を研究する「移動する子ども」学を構想している。本発表では、「移動の経験と記憶」の根底にある「感情」「感覚」「情念」を含む主観的意味世界を、「移動知」「情動」を手がかりに探究し、人とことばを軸に新たな「学」を立ち上げる課題を考察する。


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