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Date: Sun, 1 Oct 2023 13:10:23 +0900
From: Yukinori Kimoto <yk.kimoto@gmail.com>
Subject: [PSJ-News:00882] 再送: 第17回動的語用論研究会のご案内(10月7日(土)・ハイブリッド開催(阪大&オンライン)
To: psj-news@pragmatics.gr.jp
Message-Id: <ED01B9DD-73AC-41E3-879A-2572F1D726BA@gmail.com>
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日本語用論学会会員の皆さま
(※ML専用アドレスから配信しておりますので、本メールへの返信はご遠慮ください。)

田中廣明先生(京都工芸繊維大学・名誉教授)より、「第17回動的語用論研究会」のご案内を頂きましたので、会員の皆さまにお知らせ致します。
なお、重複してお受け取りの場合は、何卒ご容赦下さい。

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皆様

 開催時期が近づいて参りましたので、再送します。第17回動的語用論研究会を下記の要領で10月7日(土)にハイブリッド開催いたします。ふるってご参加下さい。

 

田中廣明

京都工芸繊維大学・名誉教授

 

 

「第17回動的語用論研究会--動的語用論(Dynamic Pragmatics)の構築へ向けて」(動的語用論研究会主催)を、来る2023年10月7日(土)に対面(大阪大学)とZoomのオンラインによる、ハイブリッド開催で開催いたします。今回も、「動的語用論の構築へ向けて」と題し、「ことばのダイナミズムの本質に迫る:周辺から核心へ」をテーマに掲げたいと思います。まず、今回は、第一部の研究発表に国内から3人の講師(畑和樹氏(東京都市大学)、笠貫葉子氏(日本大学)、安井永子氏(名古屋大学))、第二部にオーストラリアから著名な語用論研究者、Michael Haugh先生(The University of Queensland)をお迎えし、オンラインで特別講演を行っていただきます。

Michael Haugh先生は、interactional pragmatics(特に、the role of language in social interaction)の第一人者であり、conversation analysis、humor studies, spoken corpora、intercultural communicationなどに関心を持って研究を進めておられます。特に、2015年から2020年までは、Journal of Pragmaticsのco-editor in chiefを務められ、我が国でも翻訳されているPragmatics and the English Language (2014, Palgrave Macmillan with Jonathan Culpeper) ( 『新しい語用論の世界: 英語からのアプローチ』2020, ジョナサン・カルペパー, マイケル ホー (著), (椎名 美智, 加藤 重広, 滝浦 真人, 東泉 裕子 (翻訳)、研究社)の著者でもあります。(詳しくは、http://researchers.uq.edu.au/researcher/14629  )。

 

 今回の第17回動的語用論研究会の開催が、我が国の言語研究に一石を投じられたらという願いで開催したいと思います。ふるってご参加ください。

https://sites.google.com/site/dynamicpragmatics/ 

 

日時:2023年10月7日(土)12:50 A.M.?5:30 P.M.

場所:対面(大阪大学)とZOOMによるオンラインのハイブリッド開催

開催方式: ハイブリッド開催

     オンライン: Zoom情報はお申し込み後にお送りいたします。

     対面会場: 大阪大学豊中キャンパス人文学研究科言語文化棟2階大会議室

     https://www.osaka-u.ac.jp/ja/access/top   

(上記豊中キャンパスマップ1番)

研究会は対面(大阪大学)とZoomによるオンライン開催のハイブリッド形式といたします。ご参加をご希望の方は(対面の場合もオンラインの場合も)、以下のフォームにて期日までにお申し込みください。感染対策もありますので、対面の参加のご希望で大阪大学へ来られる方も、人数を把握する必要がありますので、フォームに記入をお願いします。

【事前申込】: https://forms.gle/4NzHVzvQBqGayeDN7  

【事前申込締切】: 2023年10月5日(木)23:59

事前申込みをいただいた方には、10月6日正午までにZoom情報をお送りいたします。期日までにzoom情報が送られない場合は、以下までメールにてご連絡ください。

秦かおり(hatakaori@gurigura.com )

 

【プログラム】

趣旨説明と講師紹介: 田中 廣明 (京都工芸繊維大学・名誉教授)  12:50 a.m.?1:00 p.m.

 

【テーマ:「ことばのダイナミズムの本質に迫る:周辺から核心へ」】

 

第一部 【研究発表】 (使用言語:日本語)1:00 p.m.?3:50 p.m.

 

1. 畑 和樹(東京都市大学)1:00 p.m.?1:50 p.m.

「会議報告中に報告の適切さを示すプラクティス:制度的多人数会話で為される相互志向に着目して」

 

(10分休憩)

 

2. 笠貫 葉子 (日本大学) 2:00 p.m.?2:50 p.m. 

「「お茶」の使用と解釈についての一考察:メトニミーとシネクドキの視点から」

 

(10分休憩)

 

3.安井 永子 (名古屋大学)3:00 p.m.?3:50 p.m.

「身体を使った教示における「よいしょ」:身体動作と身体感覚の提示」

 

(10分休息)

 

第二部 【講演】(使用言語:英語)4:00 p.m.?5:30 p.m.

Michael Haugh (The University of Queensland)   

Dynamic discourse meaning and the serious/non-serious dialectic

(講演(60分)+日本語による解説(山口征孝(神戸市外国語大学))+質疑応答(Haugh先生はオーストラリアからオンラインで参加の予定))

 

連絡先:田中廣明 (京都工芸繊維大学・名誉教授)(h-tanaka ::: js3.so-net.ne.jp(:::をアットマークに変えて送信して下さい)

 

世話人兼発起人:田中廣明(京都工芸繊維大学・名誉教授)・秦かおり(大阪大学)・吉田悦子(滋賀県立大学)・山口征孝(神戸市外国語大学)・岡本雅史(立命館大学)・小山哲春(京都ノートルダム女子大学)・木本幸憲(兵庫県立大学)・西田光一(山口県立大学)・五十嵐海理(龍谷大学)

 

発表要旨

 

1. 「会議報告中に報告の適切さを示すプラクティス:制度的多人数会話で為される相互志向に着目して

 

畑 和樹(東京都市大学)

 

 会議報告は通常、組織や部署を代表する報告者が、ある内容について会議出席者に説明を与える活動である。その場には内情に詳しくない参与者のみならず、報告者以上の知識や経験を持つ実務担当者が出席していることがある。しかし、会議報告はあくまで報告者が遂行すべき活動であり、実務者のほうに高い認識的地位があろうとも活動の進行を遮って自由に発言することは許されない制度的場面といえる。ゆえに報告者は事前に実務者から与えられた知識を基に報告を行い、実務者は傍参与者(side participant)としての振る舞いを見せる。

 一方で、報告される内容に直接携わっていない人物が報告している状況では、しばしば報告内容に誤りが含まれていることもあれば、報告者の主観に基づく報告であるという印象を出席者に与えかねない。

そのような課題がある中で、報告者はいかなる方法で報告内容の正確さ、および報告の「為され方」の適切さを主張するのか。本発表は、報告者が報告遂行の継続を示しながら為す実務者との一時的な相互志向に注目する。制度的多人数会話が持つ参与枠組みの複雑性に焦点を当て、参与者が用いた発話の構成とその相互行為上の位置、ならびに身体行動を精査しながら、会議報告が相互行為の中で正当化される動的プロセスの記述を試みる。なお、検証するデータは都内小学校で開かれた学校地域連携会議の定例会を録画したものである。

 

(参考: 畑先生関連サイト:https://researchmap.jp/khata/ )

 

 

2.「「お茶」の使用と解釈についての一考察:メトニミーとシネクドキの視点から」

 

笠貫 葉子(日本大学)

 

 先行研究において、「お茶しない?」「お茶でも飲まない?」といった表現は、〈(お茶を飲みながら)会話する・一緒に過ごす〉という意味を表すメトニミーの例とされる。また、この表現における「お茶」という語については、〈(アルコールを含まない)飲み物一般〉を指すシネクドキであると指摘されている。本発表では、このシネクドキとしての「お茶」の解釈が話し手と聞き手の関係性や使用場面によってゆらぐ動的なものであることを明示する。また、最近の若者が誰かを誘う時に上述のような表現を使わない実態を確認し、その理由についてメトニミー的視点から検討する。

 

(参考:笠貫先生関連サイト: https://researchmap.jp/read0122611 

https://www.eco.nihon-u.ac.jp/about/seminar/kasanukiyoko/  )

 

 

3. 身体を使った教示における「よいしょ」:身体動作と身体感覚の提示

 

安井 永子 (名古屋大学) 

 

近年、会話が中心となる場面のみならず、身体動作が中心となる活動における相互行為の研究が進んでいる。その流れの中で、人が力を込めて身体を動かすときに発するugh, mmm, argh! などの発声(strain gruntやpower screamと呼ばれるもの)が、単なる「レスポンス・クライ(response cry)」(Goffman, 1978)ではなく、相互行為の資源となるものであることが明らかにされている(Keevallik & Ogden, 2020)。本発表では、日本語話者が力を込める際に発する「よいしょ」を取り扱う。特に、身体技能の教授場面において講師が用いる「よいしょ」に注目する。相互行為分析により、身体の動きと発話の産出とがリアルタイムに調整される動的な過程に着目して「よいしょ」を検討する。そして、「よいしょ」が、講師が指示する身体の動きやその細かい産出タイミングのみならず、その動きを産出する際の身体感覚をも動的に表わすものとして働くことを示す。

 

(参考: 安井先生関連サイト:https://profs.provost.nagoya-u.ac.jp/html/100005690_ja.html  

https://researchmap.jp/read0156683/  )

 

 

4. Dynamic discourse meaning and the serious/non-serious dialectic

 

Michael Haugh

(The University of Queensland)

 

It is generally assumed in pragmatics that the meanings delivered through utterances are either serious (truthful, genuine, sincere, authentic etc.) or not serious (untruthful, not genuine, insincere, inauthentic etc.). However, if we examine instances of teasing, conversational joking, irony, sarcasm, ostensible speech acts and so on, all of which arguably fall under the broad umbrella of non-serious talk (Clark 1996), we find in such cases that the utterance(s) in question may in fact deliver both serious and non-serious propositions. In this presentation, I propose that we can only account for such cases if we theorise the serious and non-serious meanings that are interactionally accomplished through instances of non-serious talk as dialectically related. Building on the notion of dynamic discourse meaning (Elder & Haugh 2018, forthcoming; Elder & Jasczcolt 2023), I argue that the serious and non-serious propositions made available through non-serious talk are enmeshed in a yin-yang dialectic, such that the existence of one implicates the presence of the other. I conclude that theories of speaker meaning in pragmatics need to start taking more seriously cases of non-serious talk if we are to account for the rich diversity of speaker meanings that can be accomplished in the course of conversational interaction.

 

(参考:Haugh先生関連サイト: http://researchers.uq.edu.au/researcher/14629 

   https://www.researchgate.net/profile/Michael-Haugh-3  )

 



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