Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Thu, 5 Oct 2023 19:24:09 +0900
From: Yukinori Kimoto <yk.kimoto@gmail.com>
Subject: [PSJ-News:00884] 第40回ひと・ことばフォーラム連続研究会
To: psj-news@pragmatics.gr.jp
Message-Id: <97D571C2-581F-4D38-8FFA-A95CF84BD6DA@gmail.com>
X-Mail-Count: 00884

日本語用論学会会員の皆さま
(※ML専用アドレスから配信しておりますので、本メールへの返信はご遠慮ください。)

東泉裕子先生(東洋大学)より、「第40回ひと・ことばフォーラム連続研究会」のご案内を頂きましたので、会員の皆さまにお知らせ致します。
なお、重複してお受け取りの場合は、何卒ご容赦下さい。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2023年度ひと・ことばフォーラム連続研究会
新しい「文字・表記」の世界

当フォーラムは、様々な言語現象を研究対象に「ことばと人はどうかかわるか」を考える研究グループとして2012年に発足しました。ことばと関連した「移動」、「メディア」、「語用論」などをメインテーマとして取り上げ、2019年度までは関東・関西をオンラインで結び年2回、対面の特別公開研究会を年1回のペースで研究会を実施してきました。
2020年度からは新型コロナウィルス感染症拡大の状況を踏まえ、年3回の研究会をオンラインで開催してきました。2020年度は“マイノリティ言語を生きる”、2021年度は“言語的コンプレックス”、2022年度は“「多様性」を捉え直す”を年間の連続テーマに設定し、計3回の研究会を開催してきました。2023年度もこの体制を維持し、“新しい「文字・表記」の世界”を年間テーマに議論を深めます。

3年余のコロナ禍は、人と人をつなぎ社会活動を維持するためにはオンラインのコミュニケーションが欠かせないことを教えてくれました。Zoomや動画配信、電子メディアを通してテキストを送り合うコミュニケーションが日常的になりました。コロナ前の「日常」が戻りつつある現在でも、これは元に戻ることはありません。しかし、ことばの研究はこの大変化に十分に対応しているでしょうか。いま、対話や会話・談話、音声言語を前提としたことばの研究は大きな変革が求められているのではないでしょうか。旧態依然としたものではない、私たちのいまを反映した文字・表記に関する研究が求められているのではないでしょうか。昨年度までは、ことばの「多様性」をめぐってきましたが、本年度はそのさらなる延長線として、文字をめぐって、新しい視点や興味深い発想で議論を深めたいと考えています。

第39回 (2023年度第1回)「文字・表記」研究のフロンティア 8月12日(土)オンライン
第40回 (2023年度第2回) モバイル・メディアの「文字・表記」11月4(土)オンライン
第41回 (2023年度第3回) 「文字・表記」を捉え直す 2月4日(日)対面/ハイブリッド

2023年度第2回(通算40回)“モバイル・メディアの「文字・表記」”は、三宅和子(東洋大学)、新井保裕(文京学院大学)に加え、楊虹(鹿児島県立短期大学 )氏を迎え、モバイル・メディアを介したコミュニケーション研究から見える「文字・表記」の現代的実像を炙り出します。三宅はモバイル・メディア利用の黎明期から現在までを振り返りながら、文字・表記の創造性に加え、社会的、相互行為的な役割を指摘し、そのダイナミズムに迫ります。
楊氏には中国語Wechatの会話における感情表出の分析を通して、相互行為における文字・表記の働きを考察していただきます。新井は韓国語SNSの「脱規範的」「非標準的」文字・表記を概観し、使用者の文字・表記意識を探ります。
全体ディスカッションでは、モバイル・メディア上で繰り広げられる「文字・表記」の特徴について理解を深めるとともに、日本語、中国語、韓国語という3つの言語を取り上げ、メディア特性と言語や社会文化とがいかに相互的に影響を与え合っているかを議論し、モバイル・メディアを通して見えてくる「文字・表記」の新しい側面に迫る視点や研究の新機軸を考える機会としたいと思います。

☆開催日時:2023年11月4日(土)10:00?12:00
☆会場:ZOOM上で実施
※参加申込をされた方に11月2日(木)にURL及びパスワードをお送りします。
☆参加費:無料
☆プログラム:
10:00 ? 10:05  趣旨説明・発表者紹介:三宅和子(東洋大学)
10:05 ? 10:25  発表者:三宅和子(東洋大学)
「モバイル・メディアが切り拓く「文字・表記」のダイナミズム」
10:25 ? 10:45 発表者:楊虹(鹿児島県立短期大学)
「中国語Wechatの会話における感情表出?相互行為からとらえた文字・表記」
10:45 ? 11:05  発表者:新井保裕(文京学院大学)
 「韓国語KakaoTalkの「脱規範的」文字・表記?使用者の文字・表記意識を探る」
11:05 ? 11:15 休憩
11:15 ? 11:55 全体ディスカッション
11:55 ? 12:00 閉会・連絡
-----(以下希望者のみ自由参加)
12:15 ? 13:00 ランチタイム懇談会

☆企画:三宅和子(東洋大学)、新井保裕(文京学院大学)、芹沢円(神戸大学)、太田奈名子(清泉女子大学)

学期中のご多忙の時期とは存じますが、多くの方にご参加いただければ幸いです。オンライン開催の都合上、ご参加を希望される方は2023年11月1日(水)までに下記フォームよりお申し込みください。多くの方々のご参加をお待ち申し上げております。

https://forms.gle/wTv8Cwq4ikStwrFJA

☆発表要旨
三宅和子(東洋大学)
モバイル・メディアが切り拓く「文字・表記」のダイナミズム
「文字・表記」はこれまで、日本語のような複雑な文字体系をもつ言語においてさえ、言語研究の重要な位置を与えられてきたとはいいがたい。しかし近年、メディアを介したコミュニケーション(CMC、Computer Mediated Communication)が増大し、既存の「話しことば」研究、「書きことば」研究の視点では解明できない現象が表面化してきた。メディア時代を生きる私たちは、このようなCMCの諸現象を注視し、「文字・表記」が果たす役割や機能についてあらためて考えていく必要がある。本発表では、日本語のモバイル・メディア上に現れた「文字・表記」を取り上げ、従来スタティックにとらえられがちだった「文字・表記」のダイナミックな働きに注目したい。
具体的には、ポケベル、ケータイ・メール、スマートフォンのSNSなどに刻まれ、変化してきた「文字・表記」の特徴を紐解きながら、モバイル・メディアにおけるダイナミズムは、脱規範的表記(新規性の強い表記)などの横溢にみられる文字の創造性にとどまらず、人間関係調整やアイデンティティ表象など、社会的、相互行為的に重要な役割を担って顕現していることを主張する。

楊虹(鹿児島県立短期大学)
中国語Wechatの会話における感情表出?相互行為からとらえた文字・表記
中国語母語場面のWechatの会話における感情表出については、擬声語を含む感動詞や、絵文字、スタンプなどのビジュアル要素(中国語でまとめて「表情」という)の多用が特徴として指摘されている。しかし、中には、新奇性を狙った誤変換や低俗な語、誇張的な表現、さらに醜さを売りにするようなスタンプも見られ、これらはミスコミュニケーションを起こしたり、伝統的な審美的感覚を破壊したりするなど、批判的に捉えられることもある。
本発表では、女性の友人同士の1対1のチャットの自然会話をデータとして、相互行為の中で、いわゆる誤変換や低俗な語と言われるものも含めて、感動詞や絵文字、スタンプなどのビジュアル表現の、相手との関係性や会話の流れに応じた使用を分析し、Wechatにおける中国語の文字・表記の特徴の一端を示す。

新井保裕(文京学院大学)
韓国語KakaoTalkの「脱規範的」文字・表記?使用者の文字・表記意識を探る
韓国では1990年代よりインターネット上の言語の「脱規範性」「非標準性」が注目され、通信言語と称されて学術的な研究が行われてきた。2020年代の現在でもモバイル・メディアで多くのSNSが用いられ、さまざまな文字・表記が現れている。本発表では、韓国でよく用いられるSNSのKakaoTalkを対象にして、仲の良い大学生同士の韓国語母語話者グループ5組(各グループ2~3名)のコミュニケーションデータを分析する。具体的にどのような「脱規範的」文字・表記がどのように用いられているかを概観し、その文字・表記に韓国語やハングルの特徴が活かされていたり、踏まえられていたりすることを明らかにするほか、使用者の文字・表記意識が現れることを示唆する。
なお発表者はモバイル・メディアにおける文字・表記の使い方について「文字の使い方(文字活用)」(新井2015)、「表記意識」(新井2023)という多様な術語を用いてアプローチしているが、その全体像を示し得ていない。本発表の話題提供を通じて、文字・表記研究の新たな視点・発想への議論に繋げたい。

☆今後の予定
第41回(2023年度第3回)「文字・表記」を捉え直す 2月4日(日)対面/ハイブリッド
発表者:尾山慎(奈良女子大学)
    中島武史(兵庫教育大学)
    斎藤敬太(跡見学園女子大学)




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 本メールへの返信はご遠慮ください。(ML配信専用アドレスです)
  当学会へのお問い合わせは、下記のアドレスにお願いします。
▼ DO NOT REPLY to this e-mail.   If you have any questions, 
   please e-mail us at "webmaster -at- pragmatics.gr.jp"
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼問い合わせ先
  会員管理室: psj -at- outreach.jp
  学会事務局: secretary -at- pragmatics.gr.jp
  広報委員会: webmaster -at- pragmatics.gr.jp
  ML配信依頼: webmaster -at- pragmatics.gr.jp
??????????????????????????????
▼登録情報の変更
  住所・連絡先・会員ステータスの変更は、「会員専用ページ」
  にログインしてから、ご自身でお願いします。
  https://science-cloud.com/psj/mypage/
??????????????????????????????
▼ 日本語用論学会公式ホームページ
  http://pragmatics.gr.jp/
??????????????????????????????
▼『語用論研究』(SIP) バックナンバー
  http://pragmatics.gr.jp/journal/backnumbers/
??????????????????????????????
▼「NEWSLETTER」バックナンバー
  http://pragmatics.gr.jp/archive/newsletter.html
??????????????????????????????
▼PSJ 広報用Twitterアカウント
  https://twitter.com/psjoffice
??????????????????????????????